マルシェやイベント出店で、売上が出てきたとき、「これって確定申告、いくらから必要なの?」
「確定申告がわからなくて出店に踏み出せない」そんな方もいるのではないでしょうか?
先に答えを書くと、確定申告が必要かどうかは「売上」ではなく、売上から経費を引いた「所得」で決まります。
「領収書はとっておいた方がいい?」
「帳簿って、どうやってつければいいの?」
なんとなく「やらないといけない気がする」けれど、どうしたらいいかわからない。
この記事では、焼菓子店を営みながら、個人事業主として毎年確定申告をしている私が、申告の前に知っておきたいことを出店者の目線でまとめます。
難しい税務の判断は専門家に任せるとして、まず何をすればいいのかを一緒に確認していきましょう。
この記事でわかること
- 確定申告がいくらから必要か(焼菓子出店の計算例つき)
- 出店料・材料費など、出店でよく出る経費と勘定科目
- 帳簿のつけ方と、会計ソフトの選び方
- 私が実際にやっている管理方法
⚠️ この記事について マルシェ・イベント出店者向けの入門的な情報整理を目的としています。税務の詳細や個別の判断については、国税庁の公式情報または税理士にご確認ください。
※記事内に商品プロモーションを含む場合があります
いくらから確定申告が必要?売上ではなく「所得」で決まります

先に、目安をまとめます。
| 出店のしかた | 確定申告が必要になる目安(2026年分) |
|---|---|
| 会社員の副業として出店 | 給与以外の所得が、年20万円を超えたとき |
| 本業(個人事業主)として出店 | 所得が基礎控除の額を超えたとき(所得489万円以下の人は104万円) |
どちらも「売上」ではなく、「所得(売上−経費)」で判断します。
※ 2026年分(2027年2〜3月に申告する分)の金額です。基礎控除の金額はここ数年で何度も変わっているので、申告する年に国税庁のサイトで確認してください。
会社員の副業なら「所得20万円」が目安
会社にお勤めで、年末調整を受けている人の場合です。
給与以外の所得が年20万円を超えると、確定申告が必要になります。
この20万円は、売上ではなく、経費を引いたあとの所得です。
売上が20万円を超えていても、所得が20万円以下なら、所得税の確定申告はいりません。
本業(個人事業主)なら「所得が基礎控除を超えたら」
ほかに収入がなく、出店やお店の売上で暮らしている人は、所得が基礎控除の額を超えるかどうかが目安です。
2026年分の基礎控除は、所得が489万円以下の人なら104万円。
前の年(2025年分)よりも引き上げられています。
実際には、国民健康保険や国民年金の保険料なども所得から差し引けるので、税金がかかるラインは人によって変わります。「このくらいなら大丈夫だろう」と決めつけずに、毎年確認する習慣をつけておくと安心です。

ぐらは個人事業主として、毎年確定申告をしています!
売上いくらだと必要?焼菓子出店の計算例
売上?所得?何のことだかちょっとよくわからない… という方にも。
ここからは、焼菓子をマルシェで売る人を想定した「例」です。実際の数字ではありません。
例1:会社員の副業で、月1回マルシェに出店している
| 1年間の金額 | |
|---|---|
| 売上(1回5万円×12回) | 600,000円 |
| 材料費(小麦粉・バター・砂糖など) | −180,000円 |
| 包装資材(袋・シール・乾燥剤) | −60,000円 |
| 出店料(1回5,000円×12回) | −60,000円 |
| 会場までの交通費・駐車場代 | −24,000円 |
| キャッシュレス決済の手数料 | −6,000円 |
| 折りたたみ台・かごなどの備品 | −20,000円 |
| 所得 | 250,000円 |
売上60万円に対して、所得は25万円。
20万円を超えるので、確定申告が必要です。
同じ売上60万円でも、経費が40万円を超えていれば、所得は20万円以下になります。
経費の記録が抜けていると、所得が実際より多く計算されてしまいます。
レシートをとっておくことが大事なのは、このためです。
例2:お店と出店で売っている、本業の個人事業主
| 項目 | 1年間の金額 |
|---|---|
| 売上(お店・マルシェ・委託販売) | 2,500,000円 |
| 経費(材料・資材・出店料・家賃など) | −1,300,000円 |
| 所得 | 1,200,000円 |
所得120万円は、基礎控除の104万円を超えるので、確定申告が必要になる目安を超えています。
ただ、国民年金や国民健康保険の保険料なども差し引くと、所得税がかからないこともあります。こういうときこそ、申告して確かめておくと安心です。
もし青色申告をしていて、65万円の青色申告特別控除の条件を満たしていれば、所得は55万円になり、基礎控除の104万円を下回ります。
ただ、この控除は、期限までに確定申告をした人だけが受けられるものです。
申告がいらない人でも、した方がいいケース
所得が目安より少なくて申告がいらない人でも、申告しておいた方がいい場面があります。
① 青色申告の控除を受けたいとき
青色申告特別控除(最大65万円)は、確定申告をしないと受けられません。
② 赤字が出た年
青色申告なら、赤字を翌年以降3年間繰り越して、次の年の黒字から差し引けます。
道具や資材、テントをそろえて、最初の年が赤字になった。そんなときこそ、申告しておくと次の年に生きてきます。
③ 払いすぎた税金を取り戻したいとき
医療費控除などを受けるには、確定申告が必要です。
会社員の人がこうした控除のために確定申告をするときは、20万円以下の副業の所得も、一緒に申告します。
そして、所得税の申告がいらない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。
迷ったら、お住まいの市区町村や税務署に確認してみてください。
申告が必要かどうかの確認フロー(目安・2026年分)
“`
マルシェやイベントで売上が出た
↓
会社員の副業として出店している?
├─ YES → 給与以外の所得が年20万円を超えたら申告
│ (20万円以下でも、住民税の申告は必要)
└─ NO(本業・個人事業主)→ 所得が基礎控除を超えたら申告
(所得489万円以下の人は104万円)
“`
迷ったときは: 国税庁 確定申告特集 が参考になります。個別の状況については、税理士に相談するのが確実です。
青色申告をするには、税務署に「青色申告承認申請書」を出しておく必要があります(開業届と一緒に出す人が多いです)。
すでに開業届を出している人も、あとから出せます。期限は、原則として青色申告をしたい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した人は、開業した日から2か月以内)です。
開業届をまだ出していない人や、副業と個人事業主の違いから確認したい人は、こちらにまとめています。
イベント出店の経費|出店料は何の勘定科目?

所得を正しく出すには、経費をもれなく記録することが大切です。
会計ソフトや帳簿では、経費を「勘定科目」という名前で分けて記録します。
はじめは聞き慣れない言葉ですが、出店でよく出てくるものは、だいたい決まっています。
出店でよく出る経費と、勘定科目の例
| 出費 | 勘定科目の例 | ひとこと |
|---|---|---|
| 小麦粉・バター・砂糖などの材料 | 仕入高 | 商品になるもの |
| 袋・シール・乾燥剤・リボン | 消耗品費 | 「荷造運賃」にする人もいます |
| 出店料・ブース代 | 支払手数料・地代家賃・広告宣伝費 など | 売上の◯%を払う形なら、支払手数料が自然です |
| 会場までの電車代・ガソリン代・駐車場代 | 旅費交通費 | |
| キャッシュレス決済の手数料 | 支払手数料 | |
| 焼き紙・手袋・プライスカード | 消耗品費 | |
| 名刺・ショップカード・POP・看板 | 広告宣伝費 | |
| テント・テーブル・什器 | 消耗品費(10万円未満のもの) | 10万円以上のものは、原則として何年かに分けて経費にします(減価償却) |
| 出店者向けの賠償責任保険 | 損害保険料 |
勘定科目には、「これでなければいけない」という1つの正解があるわけではありません。
大事なのは、同じ出費は毎年同じ科目にそろえること。
出店料を、ある年は支払手数料、次の年は地代家賃…とばらばらにすると、年ごとの比較がしにくくなります。

ぐらは、出店料を広告宣伝費にしてるよ
按分が必要なもの(自宅兼工房)
自宅兼工房で活動している場合、光熱費・通信費・家賃などは、事業に使っている割合の分だけ経費にできます(按分といいます)。
たとえば、家の一部屋を工房にしているなら、家賃のうちその部屋の分を経費にする、という考え方です。
全額は難しいですが、面積や使う時間など、説明できる根拠があれば一部を計上できます。
領収書が出ない出費はどうする?
駐車場代を、当日その場で現金で払った。
会場まで、電車で行った。
こんなとき、領収書やレシートが出ないことがありますよね。
その場合は、日付・支払った先・内容・金額をメモして残しておきます。
「出金伝票」という用紙を使うと、書く項目がそろっていて便利です(文具店などで買えます)。
出店料なら、主催者からの出店案内や連絡メール、振込の記録も一緒にとっておくと、あとで見返すときに安心です。
経費にするときの基本ルール
- 事業に関係のない出費は、経費にできない
- 帳簿と領収書・レシートは、原則7年間保存する(書類によっては5年)
- 迷うものは、まず記録だけしておいて、申告のときに税務署や税理士さんに確認する
焼菓子やハンドメイドは、材料や資材を何度も細かく買うので、レシートがどんどん増えていきます。
仕入れのたび、出店のたびに、その日のうちにひとまとめにして記帳しておく。
この小さな習慣があるかどうかで、申告前の大変さがまったく変わってきます。
帳簿のつけ方:難しく考えなくて大丈夫
青色申告と白色申告、何が違う?
| 青色申告 | 白色申告 | |
|---|---|---|
| 帳簿の形式 | 複式簿記(簡単な帳簿も可。その場合の控除は10万円) | 簡単な帳簿 |
| 手間 | やや多い | 少ない |
| 特別控除 | 最大65万円(条件あり) | なし |
| 赤字の繰り越し | 3年間できる | 原則できない |
| 事前の申請 | 必要(青色申告承認申請書) | 不要 |
65万円の控除を受けるには、複式簿記で帳簿をつけたうえで、e-Tax(電子申告)で申告するか、優良な電子帳簿保存をしていることが条件です。
複式簿記で帳簿をつけていても、紙で提出すると控除は55万円になります。
手間はかかりますが、青色申告には控除や赤字の繰り越しといったメリットがあります。
控除の額や条件は改正されることがあるので、どちらにするか迷ったら、申告する年に国税庁のサイトを見るか、税理士さんに確認してみてください。
最低限やるべきこと
どちらの申告でも、最低限やっておくべきことは共通です。
- 収入(売上)を記録する
- 支出(経費)を記録する
- 領収書・レシートを、日付・内容がわかる形で保管する
これだけでも、「何も記録していない」状態とは大きく違います。
まずはここから始めてみてください。
手書き・Excelか、会計ソフトか
最初は、手書きの出納帳やExcelから始めることもできます。
売上と経費を「日付・内容・金額」の3つで記録しておくだけでも、申告のときにかなり楽になります。
私も、最初は手書きのノートから始めました。
ただ、出店の回数が増えたり、ネットショップや委託販売が加わったりすると、入力する量がどんどん増えてきます。
「少し早いかな」くらいのタイミングで、会計ソフトを考えてみるのがおすすめです。
また、自分でやりたいけど、やり方がよくわからないという人ほど、会計ソフトに頼るりながら覚えていく事もできると思います。勘定科目をAIが提案してくれたり、操作に困ったときにチャットで聞けたりと、わからないところを助けてもらいながら進められます。
会計ソフトの選び方|私が使っているもの・スマホで済ませたい人向けのもの

会計ソフトのいちばんのメリットは、日々の記録が、そのまま確定申告の書類につながることです。
手で書き写したり、Excelで集計し直したりする手間がなくなります。
ここでは、私が使っているマネーフォワード クラウドと、スマホで申告まで進めたい人向けのタックスナップを紹介します。
私がマネーフォワード クラウドを使っている理由

ぐらが今使っているのは、マネーフォワード クラウド!
- 銀行口座・クレジットカードと連携して、取引を自動で取り込める
- レシートをスマホで撮影して、経費を登録できる
- 確定申告の書類(青色・白色どちらも)を作成できる
事業用口座・カードを連携しておくと、取引が自動で入ってくるのが一番助かっています。
青色申告の書類もそのまま出力できるので、申告期間に慌てることがありません。

手書きとExcelB(フリーの会計ソフト)から始めて、freee、弥生会計、そしてマネーフォワード クラウドと使ってきました。freeeは短い期間ためしましたが、使い方に馴染めませんでした。
マネーフォワードの料金を見て「ちょっと高いかな」と思う人もいるかもしれません。でも、数字が合わない原因を探して、レシートと通帳を何度も見比べる。あのしんどさがほぼなくなったことを考えると、高い出費ではないと今は思っています。
料金やプランの選び方、使ってみて困ったところは、こちらの記事にまとめています。
\ 1ヶ月無料で試せる /
マネーフォワード クラウドを無料ではじめる(公式サイト)取引が少ない・スマホで済ませたい人は「タックスナップ」
便利で簡単と、最近よく耳にするタックスナップ。
公式サイトで確認できたことを中心に紹介します。
タックスナップは、個人事業主や副業の人向けの、スマホの確定申告アプリです。
白色申告・青色申告のどちらにも対応しています。
- 銀行口座やカードを連携することで、取引をAIが自動で仕分けてくれる
- レシートを撮ると、勘定科目もAIが判定してくれる
- 申告書の作成から提出(e-Tax)まで、アプリの中で進められる
アプリは税理士の監修のもとで作られていて、いちばん上の「安心プラン」には、税理士が監修した税務調査のリスクチェック機能もあるそうです。
タックスナップの公式メディアでは、焼き菓子を売る人に向けた記事の中で、「自宅工房やレンタルキッチンでお菓子の販売を続けている人に向いています」と紹介されています。
(出典:株式会社タックスナップの公式メディア「タックスナップメディア」の記事「パティシエ(焼き菓子の販売・オーダーケーキ・お菓子教室・副業)におすすめの確定申告アプリ(会計ソフト)4選」2026年10月13日)
タックスナップが合いそうな人
- パソコンを開かずに、スマホで記帳から申告まで進めたい
- 出店は月に数回で、取引の数がまだ多くない
- 会社員の副業として出店している
- 簿記の知識がまだなくて、勘定科目を選ぶのが不安
スマホひとつで申告まで進められるところが、いちばんの良さだと思います。
無料プランもありますが、申告書の作成・提出などには制限があります。
申告まで使うなら有料プランになり、有料プランには14日間の無料期間があります。
料金は変わることがあるので、最新の料金は公式サイトで確認してください。
選び方の早見表
| こんな人に | 合いそうなもの |
|---|---|
| 銀行・カード・レジ・ネットショップを連携して、しっかり管理したい | マネーフォワード クラウド(私が使っているもの) |
| スマホで済ませたい・取引が少なめ・副業・簿記の知識がまだない | タックスナップ |
| まずは記録の習慣から始めたい | 手書きの出納帳・Excel |
- マネーフォワード クラウド:無料プランはなく、1ヶ月の無料お試しがあります
- タックスナップ:無料プランあり(申告書の作成・提出などは制限あり)。有料プランには14日間の無料期間があります
自分の出店のしかたに合うかどうか、実際に触ってみてから決めるのがおすすめです。
税理士への相談が必要なとき
「自分でやるには判断が難しい」「事業が大きくなってきた」というタイミングで、税理士への相談を検討してみてください。
実際にやっている管理方法

個人事業主として青色申告をしているぐらの、実際のルーティンをシェアします。帳簿・申告にはマネーフォワード クラウドを使っています。
仕入れ後・出店後・営業後・翌日中までにやること
- その日の売上を記録する
- レシート・領収書をその日のうちにひとまとめにする
月2〜3回やること
- 経費のレシートを整理して記録する
- 仕入れ・資材費の領収書は内容を確認して保管記録
- マネーフォワード クラウドで仕訳を確認・修正する
やっておいてよかったこと
- 事業用の口座・カードをプライベートと完全に分ける(連携後の自動取り込みが格段に楽になります)
- 事業用の銀行口座をネット銀行にする(会計ソフトとの連携がよく、入出金の状況がスマホですぐに確認できる)
- レジアプリとマネーフォワードの連携(レジを通した売上が自動反映される)
- 「迷ったら捨てない」でレシートを全部保管しておく
- 青色申告を最初から選んだこと(手間はかかるが、65万円控除は大きい)

完璧な管理よりも、続けられる仕組みを先に作ることが大事だと感じています。買い物は基本キャッシュレス(事業用カード)にすることで、帳簿のつけ忘れがほぼなくなりました。
これからレジアプリを選ぶ人は、使っている会計ソフトと連携できるかどうかも、あわせて見ておくとあとが楽になります。
無料で始められるレジアプリのひとつ、Squareの登録から使い方までは、こちらの記事にまとめています。
まとめ:まず「記録する習慣」から始める

- 確定申告がいるかどうかは、売上ではなく所得(売上−経費)で決まる
- 会社員の副業なら、給与以外の所得が年20万円を超えたら申告(住民税の申告は別に必要)
- 本業なら、所得が基礎控除を超えたら申告(2026年分は、所得489万円以下の人は104万円)
- 申告がいらなくても、青色申告の控除や赤字の繰り越しを使うなら申告する
- 出店料などの経費は、勘定科目を毎年そろえて記録する
| やること | タイミング |
|---|---|
| 売上記録(出店・委託販売など) | その日のうちに |
| 経費・レシートの整理 | 月2〜3回 |
| 帳簿・会計ソフトの確認 | 月2〜3回 |
| 確定申告 | 原則として、毎年2月16日〜3月15日 |
経費の記録が抜けると、所得が実際より多く計算されてしまいます。
申告がいるかどうかの判断も、税金の額も、記録しだいで変わってきます。
まずは、記録する習慣をつけることだけ意識してみてください。
レシート・領収書は捨てずに管理する。売上はその日のうちに記録する。それだけで、申告時の負担はかなり変わります。
細かい判断に迷ったときは、国税庁の公式サイトを確認するか、税務署又は税理士に相談するのが一番確実です🌿
スマホで記録から申告まで進めたい人は、タックスナップの公式サイトものぞいてみてください。
\ 無料プランあり /
タックスナップを見てみる(公式サイト)▼ この記事と合わせて読みたい
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