マルシェなどのイベントで「手作りのお菓子を販売したい!」「一日だけのマルシェ出店でも許可が必要?」「どんな許可が必要?」そんな疑問を持っている方向けに、必要な資格や営業許可について、基本的な知識と手続きをわかりやすく解説していきます
結論:1日だけの出店でも「許可」は必要!
- 自宅のキッチンで作ったものをそのまま販売することはできない。
- 食品衛生責任者の資格を取り、許可付き施設(店舗・レンタルキッチンなど)で製造・包装する必要がある。
- 詳細や個別対応については、各地の保健所に確認を。
ざっくり資格の解説
■ 食品衛生責任者
営業許可のベースとなる資格です。
- 飲食に関わる販売・製造(店舗・出店どちらでも)をするには、1人は必ずこの資格が必須
- 各自治体の講習会を受講(1日/8000~12000円程度)で取得可能
- 調理師や製菓衛生師、栄養士などの有資格者は講習不要
💭 飲食に関わる販売・製造を考えている方は、まずこの資格の取得を検討。「各都道府県の食品衛生協会」や「保健所」のwebページで調べることも可能です。詳しくは、直接問い合わせてみましょう。
資格取得の流れ
■ 関連資格を持っている場合
調理師や製菓衛生師、栄養士などの関連資格を持っている場合、各都道府県の食品衛生協会などに申請し、「食品衛生責任者手帳」などの証明書を発行してもらいます。
■ 関連資格を持っていない場合 → 講習会の受講
- 各都道府県の食品衛生協会や自治体の公式Webサイト、または保健所窓口などで受講申込
- 受講案内の受領
- 講習会の受講 講習は1日(約6時間)
- 修了証の交付
講習は1日(約6時間)。内容は「衛生法規」「公衆衛生学」「食品衛生学」の3科目。講習修了後、「食品衛生責任者修了証」などの証明書が交付されます。この証明書があれば、基本全国どこでも食品衛生責任者として認められます。
食品衛生責任者の資格は、飲食店開業や食品取扱業務に必須です。取得への難易度は高くありませんが、講習会では、飲食業に関わる上でとても重要な食品衛生を学びます。
■主な営業許可の種類と特徴
許可名 | 主な対象施設・用途 | 提供可能な食品 | 備考 |
飲食店営業許可 | 店舗・キッチンカー・レンタルキッチンなど | 調理食品・ドリンクなど | 店舗外での焼き菓子販売には不向き |
菓子製造業許可 | 菓子・パン等を製造・包装するための許可付き施設 | 焼き菓子・パンなど | 品質表示義務あり。施設基準を満たす必要あり |
臨時営業許可 | 短期間(数日)のイベント出店(仮設施設など) | 簡易調理品・菓子類など | 手続きは簡略化されているが保健所の許可は必須 |
露店営業許可 | 屋台・仮設の移動式施設での調理販売(たこ焼き等) | たこ焼き・焼きそばなど | 自動車での営業は別途「移動販売」扱い |
共通点として
- いずれも「施設」に対して与えられる許可であり、人に与えられるものではありません。
- 保健所への申請・審査が必要で、施設ごとに衛生基準や設備基準を満たす必要があります。
- 食品衛生責任者の設置が義務付けられています
許可取得の流れ
- 保健所に相談・申請
- 必要書類の提出(申請書、施設図面、資格証明など)
- 保健所による施設確認・検査
- 許可基準を満たしていれば営業許可証が交付される
キッチンカー出店の場合
■ まず必要なのは「自動車を営業施設と見なすための営業許可」
- 多くの場合、「飲食店営業許可」または「喫茶店営業許可」などを、「移動販売車仕様」で取得する(自治体ごとに異なる)
- 設備基準(2槽シンク、給排水タンク、手洗い、内装など)を満たす必要あり
- 申請先は車を停める都道府県(自治体)ごとに異なり、地域をまたぐ場合は都度確認が必要

実は、キッチンカーに憧れ店舗を持つより手軽にできるのではないかと思っていました。ところが、実際調べていくと実店舗を持つことと同等かそれ以上に大変な面が見えてきました..。憧れる方も多いのではないかとおもいますが、ぐらの知るかぎり、菓子製造販売はキッチンカーのみでの営業はかなり難しい。
補足・注意点
- 特例として「バザー等開設届」のみでOKなケース(学校関係行事など)もあり
- 許可の要否や必要手続きは地域・食品によって異なるため、必ず保健所に確認すること
- 営業許可取得の相談はとにかくお早めに

ぐらがはじめに保健所に相談に行ったのは、元お菓子屋の居抜き物件を契約する方向で動きはじめた頃。営業許可取得の為にどの程度の工事や予算が必要か、想像している配置や間取りで許可がもらえそうか、あらかじめ知っておくことはとても重要。図面をもって早めに保健所に相談するのがオススメです!
まとめ
✅ たとえ1日限りのマルシェ出店でも、飲食物を扱うには資格・許可が必要
✅ 基本は「食品衛生責任者+営業許可付き施設+営業許可(現場で調理する場合)」のセットで考える
✅ 安全・安心のためにも、まずは保健所へ相談するのが出店成功の第一歩
キッチンカーも、常設店舗も、仮設のマルシェ出店も――
どの形であっても「安心して買ってもらえること」が何より大切だと思っています。
実店舗や工房を持たず出店から始めたい場合、許可付きのレンタルキッチンをいくつか見つけておくことで出店しやすい環境が整うかもしれません。
許可の取得や準備は手間に感じるかもしれませんが、これを乗り越えることで、胸を張って自分の商品をお客様に届けられるようになります。自分のスタイルに合ったやり方を見つけて、楽しく安全に出店しましょう♪