出店=売上 だけではない。
イベントに出店するとき、多くの場合「その場でどれだけ売れるか」を基準に考えがちです。
もちろん売上はとても大事です。
でも、それだけではもったいない。
出店は、あなたのお店や作品を「知ってもらう」「つながる」ための場でもあります。
だからこそ、出店前に 目的やゴールを明確にしておくこと がその先につながる第一歩になります。
出店の目的・ゴールをはっきりさせることの大切さ
楽しむことを出店の目的にしたら、当日存分に楽しめたらOK!なのですが、
“売上を上げたい” “認知度を上げたい” などの目的がある場合がほとんどだと思います。
その目的 (出店に対する)やゴール (出店後の展開や求める変化)を深く掘ってみることで、出店への準備や行動が変わり、目標達成やより充実した出店になります。
まずは、次の出店で何を目的にしたいのか改めて考えてみましょう!

出店の目的は“ひとつ”にしぼる
改めて目的や目標を考えると、あれもこれもと欲張りになりがちです。
「売上を上げたいし、新しいお客さんにも知ってほしいし、在庫も減らしたい…」
気持ちはよくわかります。私自身もそうです。
でも、目的をいくつも並べるほど、お客さまへの伝わり方は弱くなっていきます。
なぜなら、目的によって「売り方」「立ちふるまい」「ディスプレイ」が変わるから。
ここでは、代表的な7つの出店目的と、それぞれに合った行動例をまとめてみました。
自分の目的に近いものをチェックしながら、次の出店のヒントにしてみてください。
出店目的と対策・行動のヒント
出店目的① 出店当日の売上・利益を最大化したい
- 提供スピードや回転率を上げる工夫をしておく
- 人気商品・看板商品を中心にラインナップ
- 売り切れ防止のための数量調整をしておく
- セット販売やまとめ買い特典で客単価をアップ
出店目的② 新規顧客との出会い・集客
- ショップカードやチラシ、SNSのQRコードを設置
- 「また来たい」と思ってもらえる印象的な会話を意識
- 試食やサンプルで自然な接点をつくる
出店目的③ 商品の認知度アップ
- 看板商品や自信作の「商品名やコンセプト」を紹介し伝える
- 商品数をしぼって、印象を残す構成に
- キャッチコピーを添えて世界観を伝える
出店目的④ つながりづくり
- 出店者同士の交流や情報交換を大切にする
- コラボや仕入れ先など、今後の関係につながる相手を探す
- SNSでつながりを持ち、次の機会に活かす
出店目的⑤ 市場調査・商品のテスト販売
- 価格帯やパッケージ、ラインナップに対する反応を観察
- 売れ行きやお客さんの声をメモして記録する
- 会話の中から「どんな層に刺さるか」を探る
出店目的⑥ イベントや地域との関係構築・地域活性
- 地元の素材を使って「地域色」を打ち出す
- イベントテーマに合わせた商品・ディスプレイを工夫
- 来場者とのコミュニケーションを通して関係を築く
出店目的⑦ 自分やチームの経験値を上げる
- 準備・販売・撤収までの流れを通して改善点を見つける
- 商品説明や接客を実践で磨く
これらをヒントにぜひ出店の目的と対策を考えてみてくださいね!
あえて“ひとつ”に絞る理由とは?
目的をひとつに絞ることで、自分自身やチーム全体の動きに迷いがなくなり、お店全体に一貫性が出ます。
逆に目的を欲張ると、
- 商品数が増えすぎてまとまりがなくなる → 何も目にとまらない状態を生み出してしまう
- 接客で何を話すか迷う → 印象に残らない
こんな状態になりやすい。
だからこそ「今回の出店で一番大事にしたいのはどれか?」を決めてしまうのがおすすめです。
副目的があってもいいですが、必ず「主な目的」をひとつ決めたいですね。
出店は “何を目的にするか” で成功の形が変わります。
ぜひ、次の出店前には「今回の主目的はこれ!」と決めてみましょう。
重要!!|「わかりやすさ」がすべてを左右する
イベントでは、お客さまはあなたのお店の前を 数秒で通り過ぎる ことがほとんどです。
説明しなくても “パッと見” でわかること。
お客さまは「わからないもの」は、選択肢に入りません。
知らないものは選べない、選びようがない。
その一瞬で「何を売っているのか」「どんな特徴があるのか」が伝わらなければ、そもそも選択肢にすら入ってきません。
1) 看板・POP – 一瞬で伝える
● 基本原則
- 短く強く:パッと見てわかる(読める)。長い言葉は避ける。
- 視認性を最優先:遠くから読める大きさ・コントラストで。
● 文字サイズ(実用目安)
視認距離 | 推奨される和文 文字高 | 説明 |
約1〜2m | 約1cm以上 | 至近距離。店頭のPOPなどに適当 |
約5m | 約2cm以上 | 店前の小型看板など |
約10m | 約4cm以上 | 歩行者に適する距離 |
約20m | 約8cm以上 | 中距離(小道路沿いなど) |
約30m | 約12cm以上 | 車道沿いや広場で見やすいサイズ |
● 計算式
文字の縦サイズ(cm) = 判読距離(cm) ÷ 250
※会場の通路幅や人の滞留距離に合わせて調整
写真・イラストを使うメリット

- 文章で説明するより、感覚に訴えられる
- パッと見て伝わりやすい
- 興味をひく一言を付け加えると尚良い
2) ディスプレイ・レイアウト – 通りすがりで「何の店か」がわかる
● 見せ方の基本
- 遠目でわかる(遠景)
- 看板・のぼり・バナー
- 気になって近づくゾーン(中景)
- ディスプレイ、商品全体の雰囲気、写真・POP、試食など、興味を掻き立てる要素。
- 手に取る・決めるゾーン(近景)
- 商品そのもの・価格・説明文。接客・雰囲気・支払いまでの動線。
- 商品そのもの・価格・説明文。接客・雰囲気・支払いまでの動線。
● 実務的な配置ヒント
- 高さ:主要アイテムは “視線高さ+少し下(約100–140cm”に配置。台や什器で段差を作る。
- 主役を中央か入口側に:一番伝えたい商品は通路に面して正面に見えるように。
- 群れを作る:同種類はまとめ、色や形で視覚的な塊を作る(※散らばっていると認識されにくい)。
- 動線を考える:列ができても商品が見えるレイアウト。
3) 店舗名・商品名 — イメージしやすく/思い出しやすく
● 店舗名
- 業態のヒントがあると良い◎ サブタイトルでわかりやすいように補填するのもひとつ
● 商品名
- 商品名は「商品をイメージできる」のがベスト。
- 迷う名前は会話で説明が必要になり、お客さんにとっては聞く・質問するハードルがある。
補足※ 名前自体がわかりやすいことに加え、商品名・価格がわかりやすく表示されていることも大切です。
4) ブランド・ストーリー・コンセプト – 統一感
- 一貫した世界観(色/素材/フォント)をブース全体で魅せる。
- 強みを短く伝える:何が他と違うのか(素材/製法/限定)
- 伝えたいことはひとつにしぼる。
複数のコンセプトを並べると「どれが本題かわからない」=結果、何も伝わらない。
なぜ“わからないもの”は選ばれないのか
- 人は認知コストを嫌う:知るために質問・確認する行為は労力と感じられる。
- 「近づいたら買わなきゃならない」感覚:説明を受ける=購買意思を求められる流れに不安を感じる人がいる。
→ だからこそ「近づく前に何を売っているかがわかる」ことが大切
「わかりやすさ」はテクニックよりもお客さんへの心配りです。
あなたの商品や世界観を知ってほしいなら、まずは相手が受け取りやすい形で差し出すこと。説明は後回しで構いません。まずは“見てわかる”を徹底する。これが大切なのではないかと思いました。
前日までが勝負!!|認知度を上げるための事前告知

当日、声を張り上げても「そもそも知らないお店」だと興味を持ってもらいにくいものです。
だからこそ、出店前に「存在を知ってもらう」ことが重要になります。
認知してもらうことは、ほとんどの場合、時間も労力もかかります。
「当日、出店すれば簡単に売れる。」なんて思っていて、痛い目をみたこともあります。
イベントは、知らないお店でもふらっと立ち寄ってもらえたり、お客さん自身も新たな出会いを求めていたりするので、実店舗に比べると認知されていなくても立ち寄ってもらえる可能性が高いことも確かです。
でも、より充実した出店を目指す」なら、
そして、出店の目的が「より売り上げを上げたい」という事だとしたら、
出店するイベントにあった方法で、
お客さんが興味が湧く魅力を感じるような発信をして、行きたくなってもらう。
「ここのお店商品が買いたくて、このイベントに来ました!」って言ってもらえた時はとても幸せな気分になりますよね!
まとめ
イベント出店は、準備の仕方次第。
- 出店の目的・ゴールを明確にする
- お客さんに一瞬で伝わる「わかりやすさ」をつくる
- 事前に存在を知ってもらうための告知をする
この3つを意識するだけで、同じ出店でも大きく結果が変わってきます。
「なんとなく出る」ではなく「目的を持って出る」ことが、出店を成功に導く一番の近道です。
この記事は、何度か出店を経験している方に向けて執筆してみました。
もちろん出店者さんそれぞれのやり方やこだわりがあり、貫き通すこともひとつのやり方です。
でももし、最近同じような出店ばかりで成長がない気がしているそこのあなた。少しの手間と意識で、お客さまの反応が変わる感覚、味わいませんか!?
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